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危機を乗り越え

 50年を越える歴史を紡ぐためには、紆余曲折、その時代に特有の様々な課題がありました。幾多の危機を乗り越えて、モリアオガエルの保存活動は現在を迎えています。
保護活動の始まり
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 昭和43年(1968年)山口町内の道ばたで、理科部の生徒が1匹のカエルの死骸を発見します。たまたま理科部で飼育していた「サギ」のエサを求めて町内を探索していたところでした。当時理科部の教諭であった藤本一幸先生によって珍しいカエルである「モリアオガエル」と判断され、翌年生息場所が特定され、保護活動が始まりました。

議会で支援が決定
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 理科部の自主的な保護活動は、その後西宮市議会に取り上げられ、助成支援が必要であると議論されました。ちょうどその頃の山口町は、多くの宅地開発で山林が切り開かれ、緑が失われようとしていました。絶滅危惧種であるモリアオガエルの存在が、今現在残されている、この町の緑を守るきっかけとなったのです。

理科部廃止の決定
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 平成18年(2006年)にはこれまでの活動が評価されて「環境大臣賞」を受賞しました。テレビ局からの取材を受けたり、活動も全盛期でしたが、平成29年(2017年)部員数の大幅な減少から理科部の廃止が決定し、モリアオガエルの保護増殖活動の存続が危ぶまれることになりました。

保存会の発足
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 そこで理科部の廃止後、西宮市立山口中学校の教職員が核となって「モリアオガエル保存会」を発足させ、生徒たちはこの保存会に所属する「生徒ボランティア」として活動することが決定しました。これで、50年を超える活動の存続が決まりました。

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